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2021.09.15
コラム

 入って安心!自転車保険の話            

コラム監修:自転車総合研究所 所長 古倉 宗治

今回は自転車の保険のお話です。近頃、自転車の保険加入を義務化する自治体が増えていることもあり、ニュースでも目にすることが多くなりました。au損害保険株式会社の調査によると、2020年に全国の自転車保険の加入率が「59.5%」になったそうです。今後、全国で義務化されることが予想されますが、義務化や加入が進んでいるのは、自転車事故の現状を踏まえてのことなのです。

コラムをご覧のみなさんの中には、自転車乗車中に事故に遭ったことのある方もいらっしゃるかもしれません。事故ではなかったとしてもヒヤっとした出来事がある方は意外に多くいらっしゃるのではないでしょうか。

私もまたそのひとりですが、まだ学生だった頃、自転車に乗ってバイト先に行く途中、小道(坂)から勢いよく降りてきた自転車に乗った小学生の子に衝突されたことがあります。近くにいたおばさんに「危ないでしょ!」と怒られたその子は、自分がしてしまったことと、おばさんに怒られた恐怖で泣き出してしまいました。衝突された衝撃で手に痛みが走っていましたが、その子がなんだか可哀そうになり、怪我はないか、大丈夫か、と声を掛けたら、おばさんに「何言ってるの!この子が悪いんだから!」と逆に怒られてしまいました。私はバイトに行きたいのに、その子は泣いていて、おばさんは怒っていて…。と、もはやこの混沌とした状況をどうおさめればいいのかわからなくなったことを今でも思い出します。

収集のつかない昔話になってしまいましたが、これが逆の立場だったらどうでしょうか。恐怖で泣き出したくなる気持ちもわかりますし、もし衝突されたのが小さい子供で、衝突したのが大人の場合、手の怪我だけでは済まないのではないでしょうか。

■自転車事故の件数は減っているのに・・・?

自転車事故は2004年の約18万8千件をピークにして年々減少傾向にあります。その一方で、全自転車事故における自転車側が第1当事者※になる率は、1993年の約21%をピークに一時は減少傾向にあったものの、また上昇し始め、2020年に再び20%を超えました(表1)。

これは自転車側が加害者になる割合が増えてきていることを示しているのです。

※最初に交通事故に関与した車両等(列車を含む。)の運転者又は歩行者のうち、当該交通事故における過失が重い者をいい、また過失が同程度の場合には人身損傷程度が軽い者をいう。(警察庁「用語の解説」より)

表1 自転車事故全体における自転車が第1当事者の割合の推移

■法令違反率も高い水準が続いています

さらに全自転車事故における法令違反率を見てみると、事故の件数は減少しているのに、ほぼ60%台後半の高い数値で推移しています(表2)。第1当事者であっても第2当事者であっても法令に違反している場合はカウントされるので、事故における責任の重い軽いに関係なく、法令に違反した運転が多く、法令違反の責任を追及される可能性があるということがわかります。

表2 自転車事故全体における法令違反の割合の推移

■事故のその後に・・・

自転車事故で相手側に怪我を負わせた場合も自動車事故と同様に賠償金を請求されることがあります。実際に起こった自転車事故における最高賠償額は9,521万円です。高額賠償請求となった事故はいくつかありますが、そのうちの加害者の多くが未成年者であるため、非常に大きな経済的負担が親にのしかかることになるのです。

自転車の第1当事者率が年々増加傾向にあることに加えて、自転車の法令違反率が以前から高止まりであること、また、被害者や加害者になった場合の救済措置や経済的負担の軽減も考えると、保険加入の必要性が高くなってきていることがおわかりいただけたかと思います。

このコラムを見て、交通ルールを守ることはもちろん、保険加入について検討していただくきっかけとなれば幸いです^^

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