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2023.02.02
コラム

OpenStreet株式会社 工藤 智彰 氏 講演会                    

コラム監修:自転車総合研究所 所長 古倉 宗治

2022年12月19日(月)、当センターにて第3回自転車総合研究会が開催されました。第2部はOpenStreet株式会社の代表取締役社長CEO工藤氏をお招きし、講演会を開催。当センター職員をはじめ、自転車施策の研究者・コンサルタント、駐輪場の管理会社、オンライン参加者も含め、約30名が参加しました。

◆ 工藤智彰 代表取締役社長CEOプロフィール

OpenStreet株式会社 代表取締役社長CEO
工藤 智彰
– 2003 年 通信系販売代理店 営業・人材開発に従事
– 2008 年 現ソフトバンク株式会社(ソフトバンクモバイル株式会社)
人事総務統括にて人材開発・事業開発に従事
ソフトバンクユニバーシティの創立・運営、ソフトバンクアカデミアやソフトバンクイノベンチャーの
企画・運営に携わる
– 2013 年 ソフトバンクグループ株式会社(兼務)
事業統括 関連事業室 事業化推進グループ
– 2013 年 ソフトバンクイノベンチャー株式会社(兼務)
– 新規事業開発推進、財務経理管理
– 2016 年 OpenStreet株式会社 執行役員 経営企画・データサイエンス管掌
その後、CFO 、CMO を歴任
– 2021 年10 月 代表取締役社長 CEO 就任

その他、国土交通省「シェアサイクルの在り方検討委員会」委員や一般社団法人日本シェアサイクル協会副会長も兼任されています。

◆ OpenStreet株式会社

OpenStreet社はシェアサイクル、超小型EVやスクーターのシェアモビリティ、パーキングシェアサービスといった様々な移動プラットフォームを運営し、ラストワンマイルにおける多様な移動手段を提供しています。シェアサイクルプラットフォーム「HELLO CYCLING」は国内最大級です。

また、シェアードモビリティプラットフォームを活かした広告メニューの企画販売、移動×データを活用した新規事業開発を展開するなど、その事業は多岐に渡ります。

◆ 講演会の概要

今回の講演ではOpenStreet社の「シェアサイクル」に焦点を当て、大きく4つのポイントにわけてお話しいただきました。
1. シェアサイクルについて
2. シェアサイクルの状況
3. ビジネスの状況
4. シェアサイクルの展開における今後の課題

 

1.シェアサイクルについて
●20~30種類の車体を使用。地域によってe-bikeタイプ、モバイルバッテリーをつんだロードバイクタイプなどもある。会社のサービスとしては車体そのものではなく、シェアリングをする仕組みを提供。
●事業領域はファーストマイル(家➡最寄り駅等)とラストワンマイル(働いている職場の最寄り駅➡職場)。単純なラストワンマイルサービスだけでなく交通結節点に複数の移動手段を選べるモビリティポートを作って人の移動の起点において選択肢を広げている。いずれフリンジパーキングを実現したいという思いで自転車や他のマルチモビリティの組み合わせを行っている。
2.シェアサイクルの状況
●現在7年目で、会員数は180万人。年度内には200万人になる予想。
100万人になるまで5年かかったが、インフラサプライの提供とユーザーの伸びが指数関数的に変わってきたのがこの1年で、80万人増加している(2022年度内で100万人増加の予想)。
●直接運営しているのは22,000台のうち3,000台ほど、残り19,000台はオペレーターとして運営していただいている企業様に仕組みを提供。
3.ビジネスの状況
●ゼロからの開発・集客は大変だが、ユーザーが80万人ほどいるプラットフォームに参入できることを活かしてパート分け(➡得意分野を集めて事業を行ったほうが展開のスピードやサービスの質等、全てにおいてより良い方向につながるため)。
●どこにニーズがあるのか等、地元のことがよくわかっている各地域の企業様と連携できていることがOpenStreet社の強み。
※例えば都心部だとシナネンモビリティ(ダイチャリというブランドを展開)。
●いかに高密度化するか、交通結節点や駅前の駐輪場等、利便性の高いポートを取れるかが重要なため、駅前をポートの中心地として抑えてそこを囲うように展開していくのがひとつの展開のベストプラクティスになってきている。
●コンパクトシティ化していく中で交通手段を配備しにくい場所のカバーに使用したり、災害活用、脱炭素先行地域の取組に活用いただく等、シェアサイクルを起点として協定・連携範囲を拡張していくケースも増えている。
●ジョルダン、JR東日本のRingo Passなどと連携。一部地域で、その地域の定期券との連携を試している。
スーパーアプリとの連携の方がユーザーを増やす面では良いのが事実だが、アプリのダウンロードから個人情報・決済情報の入力といった一連の手間を省けるので、LINEやpaypayのミニアプリを使用することでハードルを下げている。
4.シェアサイクルの展開における今後の課題
●公共交通機関が普及しているエリアが民間だけでできる限界。車社会のような地域やラストワンマイルの移動手段が課題という地域については、環境やイベントと組み合わせる、鉄道会社やバス会社との連携をする、脱炭素先行地域の取組に自転車はエコであるということを組み入れてシェアサイクルそもそもの収益からさらにその他の価値を見出していく、といった取組がユーザー数を増やしていくことに必要だと考えている。
●事業者同士がマーケットを広げるような取り組みをすることも重要。

 

講演会の最後に「補助金に頼らず、持続性のあるインフラとして展開していくことが重要である。そのために今後も事業者と連携していきたい。」と、このように締めくくられました。
OpenStreet社のモビリティデータを活用しながらのお話しはとても分かりやすく、シェアサイクルについてよりよく知ることができた大変貴重な時間となりました。ご講演いただきありがとうございました。

OpenStreet株式会社:https://www.openstreet.co.jp/
HELLO CYCLING:https://www.hellocycling.jp/

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